聴覚障がいとは、聴覚器官や神経に支障を来たす事により、「聞こえない」「聞こえにくい」というような、聴覚が低下する障がいを言います。そして、その発生時期や聞こえる程度、種類によって聴覚障がいは様々です。例えば、聴覚障がい者はみんな手話で会話するというイメージを持たれている方が多いですが、手話が出来ない人もいますし、手話にも種類があります。口の動きを読み取ったり、紙に書いて会話する人もいます。その人によってコミュニケーションの方法も違うのです。聴覚障がいを一概にまとめて考える事は不可能なのです。


聴覚障がいの種類

伝音性難聴 音を伝達する部位(外耳から中耳)に生じた障がい。音が聞こえにくくなってしまうという症状なので、補聴器を使用し、聞こえる音を大きくする事で、症状が改善される。
感音性難聴 内耳の細胞や神経系に生じた障がい。音は聞こえるが、割れる・響く等でうまく聞こえず、理解できないという症状。
個人差も大きく、補聴器を使用するのも細かい調整が必要になる。また、生じる部位によって内耳性難聴と後迷路性難聴に分けられる。
混合性難聴 伝音声と感音性の両方を合わせた難聴。
機能性難聴 器質的な異常はないが難聴が生じている症状。ストレス等が原因と言われている。


聴覚障がいの原因

先天性 遺伝、妊娠中のウイルス感染、未熟児出産、など
後天性 病気(高熱、中耳炎など)、薬の副作用、頭部打撃(事故など)、騒音、突発性、など

聴覚障がい者の区分

ろう者 生まれつきや音声言語獲得前に聴覚を失った(低下した)人。また、聾学校出身、手話を主な言語とする人が多い。
難聴者 音声言語獲得前に聴力が低下した人。比較的、聴力障がいが軽い人が多く、補聴器や人口内耳を利用する。
中途失聴者 音声言語獲得後に聴力を失った(低下した)人。発声は不自由しない人が多い。

見えない障がい

聴覚障がいは障がいの目印になるような物がなく、周りの人から聞こえないという事に気が付いてもらえません。そのため、聞こえる人と同じ様に対応され、必 要な時に必要な手助けを受けにくいのです。自分の言いたい事が伝わらない、相手の言っている事が分からないというのは、コミュニケーションの部分で大きな 壁となるのです